大判例

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和歌山地方裁判所 昭和26年(行モ)1号 決定

被申立人串本町長が昭和二十六年十一月二十七日になした串本町議会を解散する旨の処分の執行、及び被申立人串本町選挙管理委員会が昭和二十六年十二月十五日附告示により昭和二十七年一月五日施行すべき串本町会議員総選挙の執行は、いずれも当庁昭和二十六年(行)第三号町議会解散無効確認事件の本案判決確定に至るまでこれを停止すべきことを命ずる。

二、理  由

申立人等提出の疏明によれば、申立人等はいずれも串本町会議員であるが昭和二十六年十一月二十六日、同町役場に召集せられた同町議会で被申立人串本町長提出の議案第一一〇号寄附金収受の件につき採決の結果右議案が否決されたため、右町長嶋本喜一はこれを以て不信任案の議決があつたものとみなし、翌二十七日地方自治法第百七十八条によつて同町議会を解散する旨の処分をなしたので、これに対し、申立人等は右町長を相手方として右処分の無効確認の訴訟を当庁に提起し、該訴訟は現に係属中であることを認めるに足り、更に右解散処分に基いて被申立人串本町選挙管理委員会は、昭和二十六年十二月十五日附告示を以て昭和二十七年一月五日を期し、同町会議員の総選挙をなすべく選挙手続を継続中であることは当裁判所に顕著な事実である。

右町議会解散処分が無効であるか否かは、前記本案事件の判決において判断せらるべきであるが、該判決の確定前に右解散処分の有効なことを前提としてこれに次いで必然的不可分的になさるべき町会議員の総選挙その他の処分の執行がなされるときは、収拾すべからざる混乱をひきおこし、償うことのできない損害をもたらすことが明らかである。

而して行政事件訴訟特例法第十条第二項に所謂処分の執行とは、行政行為の特殊性より考えて、本案訴訟の目的たる当該行政処分の執行のみに限定して解すべきものではなく、当該行政処分を条件とし、義務的に之に伴つて不可分的になさるべき行政処分の執行をも包含するものと解すべきである。

よつて前記町長の解散処分並に同町選挙管理委員会の選挙手続の執行を前記本案判決の確定まで停止せしめる緊急の必要があるものと認め、行政事件訴訟特例法第十条第二項、第四項を適用して主文の通りに決定する。

(裁判官 万歳規矩楼 宇宮綱久 小木曾競)

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